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世界が恋したイメージの魔術師~早世の天才絵本作家、エロール・ル・カインの作品世界が蘇りました!

世界が恋したイメージの魔術師~早世の天才絵本作家、エロール・ル・カインの作品世界が蘇る!

あまりにも美しいものと出会い、一目で恋をしてしまう……。
そんな映画のような体験をしたことがあるでしょうか?

高校二年生のときにそんな運命的な恋をしたのは、『ちびまる子ちゃん』の作者としてだれもが知る漫画家のさくらももこさん。恋した相手は、エロール・ル・カインという不思議な名前の絵本作家でした。
地元の本屋さんで『おどる12にんのおひめさま』という絵本と偶然出会ったさくらももこさんは、表紙を見た瞬間、一目で恋に落ちます。この出会いは、その後さくらももこさんに大きな影響を与え、何十年もののち、ル・カインの暮らした英国を訪れることになったほど※1

The Twelve Dancing Princesses
さくらももこさんが出会った絵本『The Twelve Dancing Princesses~おどる12にんのおひめさま』のワンシーン。豪奢なドレスにうっとり! (絵本の家製造ポストカードより)©2025 Errol Le Cain The Twelve Dancing Princesses

残念ながら作家は病によって1989年に早世してしまいます。そのため、ル・カインの唯一無二の作品世界に出会う機会は限られてしまっていました。
ところが、2025年に東京の八王子市夢美術館で『エロール・ル・カイン展』が開催されると、1万人を超える来場者を記録。決して古びることのないその芸術性と人気を印象付けたのです。

この度、絵本の家事業部はル・カインの著作権エージェント業務を引き継ぐご縁をいただき、長らく絶版となっていた傑作絵本 『Thorn Rose~いばらひめ』を復刻出版。また、さまざまなオリジナル・グッズを制作する機会を得ることができました。

エロール・ル・カイン オリジナルグッズ①(トートバッグ )
エロール・ル・カイン オリジナルグッズ②(巾着、マルチクロス)

高校生のさくらももこさんが恋をし、展覧会では1万人以上の来場者を惹きつけるほど、今なおひとびとを魅了し続けている稀代の絵本作家、エロール・ル・カイン。その魅力に、グッズ化された代表的な絵本作品から迫ります。


豊かな色彩と緻密なイラストが織りなす絢爛豪華な姫物語~”Thorn Rose”(いばらひめ)

thorn rose cover
復刻絵本“Thorn Rose”(いばらひめ)の表紙 ©2025 Errol Le Cain Thorn Rose


長らく待ち望んだ姫君の誕生。ところが、その誕生を祝う宴に招かれなかった13番目の妖精が姫君に呪いをかけてしまいます。それは姫君が15歳になったら死んでしまうというもの。呪いによって100年の眠りについた姫君は……。
有名なグリム童話のひとつ、「眠れる森の美女」としても知られる「いばらひめ」は、これまでにさまざまな絵本作家のインスピレーションを掻き立ててきた物語のひとつです。ル・カインは、悲劇の姫君が登場する物語を、繊細に描き込んだこれ以上ない絢爛豪華な装飾と、樹々の隙間からもれる月光や紬を燃やす炎の照り返し、窓から差し込む日の光など、ドラマチックな光の描写を盛り込み、心奪われる美しいアートワークに昇華させました。
復刻絵本の制作時、特に衝撃を受けたのは、眠れる姫君のもとを王子が訪れるシーンです。姫君の体を覆う布の上に、ステンドグラス越しの光がうっすらとその文様を落としていてまるで発光しているかのよう。100年という時を経て眠り続ける姫君の、この世のものとは思えぬ美しさを引き立てています。

絵本”Thorn Rose”サンプルページより。王子が眠れる姫君を訪れるシーン。 ©2025 Errol Le Cain Thorn Rose

また、各見開きの右側にあるテキストの周囲には中世の祈祷書を思わせる見事な装飾枠があり、絵本を開いたが最後、隅々まで思わず見入ってしまう美しさです。

表紙にもなっている月夜のシーンでは、祝いのパレードの足元を花々の絨毯が覆っています。この細やかな千花模様は、クリュニー中世美術館の見事なタピスリー『貴婦人と一角獣』を彷彿とさせます。中世の祈祷書やタピスリーといった、時代を超えた美術様式を、ル・カインは自在に操り、自分のものとしてしまうのです。

ル・カインの描いた姫物語には、『The Twelve Dancing Princesses / おどる12にんのおひめさま』のほかに『Cinderella or the Little Glass Slipper / シンデレラ』などがあります。後者では、アール・ヌーボー様式の影響を受けた画家、アルフォンス・ミュシャのような意匠性の高い優美な曲線と、フューシャ・ピンクをアクセントとする特徴的な鮮やかな色使いで夜の水辺を走る馬車のシーンを描いています。優雅に道を行く馬車と姫君の姿が夜の水面に映し出され、ハッとするほどの美しさです。(店頭でもすぐ売り切れてしまう人気のポストカード柄となっています!)

エロール・ル・カインのシンデレラポストカード
エロール・ル・カインによる“Cinderella or the Little Glass Slipper”(シンデレラ)ポストカード ©2025 Errol Le Cain Cinderella or the Little Glass Slipper



20世紀最大の詩人が生み出した独創的な猫の世界~T.Sエリオット『キャッツ』

ル・カインの人気作として忘れてはならないのは、猫好きにはたまらない、なんともオシャレでユーモラス、キュートな猫らしさが炸裂している『キャッツ』シリーズです。
原作は、20世紀の英語圏で最大の詩人といわれるT.S.エリオットによる『Old Possum’s Book of Practical Cats / キャッツ – ポッサムおじさんの実用猫百科』。個性的な猫たちが続々と出てくるユニークな詩集は、のちにアンドルー・ロイド・ウェバーによってミュージカル化され、『キャッツ』として驚異的な大ヒット作となりました。

ル・カインはこの猫たちの世界を実に楽しく絵本化します。明るいブルーを基調に、月明かりのもと舞踏会で踊る猫たちを躍動感いっぱいに描いた『ジェリクルの歌』※2

ポストカード『月夜の猫』 ©2025 Errol Le Cain Growltiger’s Last Stand


『Mr. Mistoffelees with Mungojerrie and Rumpelteazer / 魔術師キャッツ』では、不思議な魔力の持ち主、ミスター・ミストフェリーズの芸の数々が軽妙洒脱に、魔術師らしい煌びやかな色彩で描かれます。一癖も二癖もありそうなミストフェリーズの妖しげな魅力と、楽しく華やかな雰囲気に満ちた『魔術師キャッツ』は、ル・カインが病床から命を吹き込んだ遺作です。

ポストカード『魔術師キャッツ』 ©2025 Errol Le Cain Mr. Mistoffelees



時を超えて紡がれる神話や伝承の世界~『キューピッドとプシケー』、『アーサー王』

古今東西、古代から現代に至るまで多様な美術様式を自在に横断し、「借り物上手のカササギ」と自称したこともあるル・カイン。そのことがよくわかる作品のひとつが『Cupid and Psyche / キューピッドとプシケー』です。

©2025 Errol Le Cain Cupid and Psyche

『キューピッドとプシケー』は、さまざまな画家が描いてきたギリシャ神話の物語のひとつです。あまりの美しさに、美の女神ヴィーナスの怒りをかってしまった人間の娘プシケー。しかしヴィーナスの息子キューピッドに愛され、紆余曲折ののち、幸せに結ばれます。

イラストは古代ギリシャの陶器に描かれた絵のように無駄のない曲線が際立ち、細部まで描き込まれたモノクロの画面構成が非常に美しい作品です。

英国の伝承物語『アーサー王』を描いたイラストは、実はル・カインの絵本作家デビューのきっかけとなった作品です。もともと映画企画用に描いたラフスケッチを出版社に持ち込んだところ、ル・カインの念願叶って採用され、絵本『King Arthur’s Sword / アーサー王の剣』として世に出ることになったのでした。

鮮やかなラピスラズリ色が高貴さを醸し出し、洗練された線と構図、そして印象的な配色が、創作の初期の頃からたぐいまれな画力を持っていたル・カインの才能を感じさせるものといえます。

©2025 Errol Le Cain King Arthur’s Sword

絵本の家では『Thorn Rose ~いばらひめ~』復刻出版を記念し、 ル・カインの代表作から数々のオリジナルグッズを制作しています。繊細で美しいイラストの再現に注力し、当社が正式にライセンスを取得、デザイン、生産をおこなっている絵本の家オリジナル商品となります。
オンラインショップ、直営店、お取引先各店様のみにてお取り扱い中です。また、ライセンス、原画展開催等にご興味のある皆様からのお問い合わせもお待ちしております。

夢美術館での展示販売の様子
エロール・ル・カイン オリジナルグッズ③ (A4フォルダ、チケットフォルダ)


 


エロール・ル・カイン(Errol Le Cain)

1941年、シンガポール生まれ。11歳のとき、8ミリカメラを手にしたのをきっかけにアニメーション制作を始める。自主制作アニメ作品が映画会社の目にとまって英国へ招かれることとなり、15歳で単身渡英。その後、1965年よりリチャード・ウィリアムズのアニメ・スタジオで働き始める。
1968年に最初の絵本『アーサー王の剣』を出版、絵本作家としてのキャリアをスタートさせる。
古今東西の美術様式を自在に横断する独自のスタイルで、日本にファンも多く、イギリスを代表する絵本作家として現在も高い評価を受けている。

絵本関連受賞作:『キャベツ姫』ケイト・グリーナウェイ賞佳作(1969年)、『いばらひめ』ケイト・グリーナウェイ賞佳作(1975年)、『おどる12にんのおひめさま』ケイト・グリーナウェイ賞佳作(1978年)、『ハイワサのちいさかったころ』ケイト・グリーナウェイ賞受賞(1985年)、『まほうつかいのむすめ』ケイト・グリーナウェイ賞佳作(1987年)。

※1 エッセイ本『憧れのまほうつかい』より(さくらももこ著、新潮社、1998年)
※2 Growltiger’s Last Stand and Other Poems, Faber & Faber, 1986(『キャッツ ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命』)収録
参考文献:図録『イメージの魔術師~エロール・ル・カイン』(ほるぷ出版、2009年)

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