『The Tiger Who Came To Tea』 日本初オフィシャルオリジナルグッズ発売!!
英国のロングセラー名作絵本を身近に!
お茶の時間に突然とらが訪ねてきたら…? そんな非現実的なことを考えたことはありますか?
英国発のロングセラー名作絵本『The Tiger Who Came To Tea』(邦題:おちゃのじかんにきたとら(童話館出版刊,1994))は、そんなサプライズを体験できる絵本です。英国だけではなく、現在でも毎年世界中で何百万部も売れ続けているというこの絵本。2023年1月時点で11か国語に翻訳され、書店員さんや絵本の家スタッフにもファンがたくさんいます。
☕🐯日本初オフィシャルオリジナルグッズ発売開始🐯☕
今年2023年で絵本『The Tiger Who Came To Tea』は刊行55周年を迎えました。そして、今年は作者ジュディス・カーの生誕100周年の年でもあるんです。そんな記念となる年に、絵本の家から日本初の『The Tiger Who Came To Tea』オフィシャルオリジナルグッズが発売されます!
今回発売されるのは…ポストカード、クリアファイル、タオル、トートバッグ、カレンダーの5種類。原作の大ファンである社員・絵本雑貨が大好きな社員の熱い思いを込めて制作されました。
ポストカード:原作絵本の中から選りすぐりの4場面をポストカードに。色味も原書に忠実に作成しました。「パーティー」(写真左から2番目)は、絵本の中に登場するアイテムを散りばめたスタッフ一押しの商品です!
クリアファイル:つるつるした素材でも原書のイラストを忠実に再現できるよう、何度も話し合いを重ね、色味を調整しました。白い紙を挟むことでイラストがさらに際立ちますので、ぜひお試しを!
プチタオル:ティーカップ柄はなんと刺繍!おしゃれ度が高い、ちょっとスペシャルなタオルです。
トートバッグ:原書出版社にも大変好評だったトートバッグ。バッグ全体にとらがぐるっとデザインされていて、原書出版社一押しの青色の背景にとらが映えています。こちらは少し遅れて2023年8月発売予定。 予定が少し早まり、お陰様で7月中の入荷となりました! どうぞお楽しみに!人気のROOTOTEとのコラボ商品です。
カレンダー:『The Tiger Who Came To Tea』だけではなく、同作者による絵本のイラストが毎月楽しめます。カレンダーも2023年9月中旬発売予定。こちらもどうぞお楽しみに!
For all the products:
© 2023 Kerr-Kneale Productions Limited. Licensed by HarperCollins Publishers Limited
絵本の家オンラインショップ http://www.ehon-house.com/shopbrand/tigerwhocametotea/
☕どんなお話なの?☕
日本ではまだまだ知名度が低い『The Tiger Who Came To Tea』ですが、英国では世代を超えて愛されるロングセラー名作絵本。各地で展覧会が開かれたり、映画化されたり、ミュージカルになったり、その人気は今も衰えることがありません。イギリス人にとっては、日本の『ぐりとぐら』(福音館書店, 1967)のような存在といったところでしょうか。初版が1968年に出版されていますから、年代的にも『ぐりとぐら』と同じ頃に出版されています。
ある日、ソフィーとお母さんがお茶の準備を始めると、玄関にお客様がやってきます。ドアを開けてみると…そこには大きなとらが立っていました。「ご一緒してもいいですか?」と礼儀正しく挨拶するとらを、二人は家に招き入れます。でも、とらは飲むわ食べるわ…家中の物を食べ尽くしてしまいます。私の好きな場面は、お茶では足りず、とらが水道水を蛇口からごくごく飲む場面。びっくりするソフィーとお母さんに、とらは「すてきな おちゃのじかんを ありがとう。ぼくは、そろそろ おいとまします」と丁寧な挨拶をして去っていきます。その後お父さんが帰ってきて、家族の素敵な時間を過ごします。
お茶の時間という日常に、突然原寸大の、しかも立って話せるとらが訪ねてくるという現実離れした出来事が起こります。でもソフィーのお母さんが「もちろん いいですよ。 どうぞ おはいりなさい。」と招き入れると、私たち読者もあっという間に物語の世界に引き込まれていきます。
(日本語の台詞は日本語版『おちゃのじかんにきたとら(童話館出版刊,1994)』より引用しました)
☕絵本の魅力とは?☕
『The Tiger Who Came To Tea』は、ジュディス・カーという女性が作・絵を手掛けています。とても穏やかそうに見えるとらと満足げな女の子が並ぶ表紙。この表紙はお話と共に時を超えて愛され、今に至ります。イラストは必要最低限の色で描かれており、読者の視線がとらに向けられるよう工夫されているそう。このシンプルな色使いでダイナミックな見開きを楽しむことができます。また、テキストは子どもにもわかりやすい英語で書かれており、優しいジュディスの声が聞こえてくるようです。
この絵本では、伝統的な英国の家庭風景を垣間見られます。また、非現実な体験をした後、最後には現実に戻ってくる安心感、そして「我が家にもとらがお茶をしにくるかもしれない!」、そんな期待を抱かせてくれます。
とらが突然やってくるという予期せぬ出来事が起こったにもかかわらず、家族の心が乱されることはありません。懐の深い温かなお母さん、予期せぬ出来事にも動じず人懐こいソフィー、ちゃんと家族の問題を解決してくれるお父さん。現代に照らし合わせると、ジェンダーステレオタイプが描かれているといわれることもあるようですが、そこは1970年代に書かれた作品ですので、その時代に戻ったつもりでお話を楽しんでみてください。読み終わった後、心穏やかになれるお話です。
☕作者はどんな方?☕
作者ジュディス・カー(Judith Kerr)は、1923年ドイツ・ベルリンに生まれました。父のアルフレッド(Alfred)はユダヤ人で、知識人でもあり演劇評論家でもあったため、ドイツ・ナチスの要注意人物リストに記載されていました。ジュディスも子供ながらに、父がいつ連行されるかわからないという危険を感じていたそうです。そこで10歳の時、ナチスから逃れるため、スイス・フランスを経由して家族で英国にやって来ました。
ジュディスは、4歳の娘の面倒を見ている時に『The Tiger Who Came To Tea』のお話を思いつきました。ナチスから逃れてきたという背景があるため、この絵本にも何か隠れた意味があるのではないか、と言われることもあるそう。でも、ジュディスがそのような隠れた意味を明かすことは決してありませんでした。インタビューでも、あくまでも「とらがお茶に来るお話です」と答えています。何かを読み取る絵本ではなく、自由に想像を膨らませ、ただ「おちゃにやってきたとら」を受け入れ、お話を楽しむこと! それをジュディスは心から願っていたのではないでしょうか。
口角が上がっていつも微笑んでいて、穏やかに話すジュディスはとても素敵なおばあちゃま。2019年5月に惜しまれて亡くなりました。
『The Tiger Who Came To Tea』は2008年にはミュージカルに、2019年には短編映画になりました。出版から50年以上経ってジュディスが映像化に同意したのは、『The Tiger Who Came To Tea』のお話がより多くの人に届いてほしいという思いがあったから。
今回発売されるグッズが『The Tiger Who Came To Tea』をご存じなかった皆さまの目に留まり、原書の魅力に気づくきっかけになれば私たちも嬉しいです。そしてもちろん、既にこの絵本をご存じだった皆さま・大ファンだという皆さまにも、ぜひグッズを手に取って、絵本の世界を更に身近に感じていただければと思っています!🐯☕