
2026年、名作児童文学“Winnie-the-Pooh”(翻訳版タイトル『クマのプーさん』岩波書店)は、原作デビュー100周年を迎えました。絵本の家では100周年を記念し、E.H.シェパードの原作イラストによる名シーンの数々を楽しめるクラシックプー・オリジナルタオルコレクションを発売いたします✨

劇作家・詩人であったA.A.ミルン(1882-1956年)が、息子クリストファー・ロビンのために創作し、1926年に英国で出版された“Winnie-the-Pooh”。初刷は32,000部、アメリカでは数カ月で15万部売れる大ヒット作となり、ハチミツ好きのプーさんとクリストファー・ロビン、ピグレットなど森の仲間たちがくり広げるお話は、大ロングセラーとなりました。その後、60年代にディズニーでアニメ化され、物語だけでなく、登場するキャラクターたちも広く愛される存在となっています🐻
さて、今回は100周年を記念し、世界中にファンも多い原作挿絵の魅力に注目してみました!
本が出版された当時は、印刷コストを削るため、挿絵や写真は文とは別のページに配置されるスタイルが一般的でした。
ところが、1924年に出版された、プーさんシリーズの最初の作品となる詩集“When We Were Very Young”(『クリストファー・ロビンのうた』)では、挿絵を文の中に配置する革新的な方法を採用。詩集は爆発的にヒットします。挿絵を描いたのは、風刺画家として活躍していたE.H.シェパード(1879 – 1976年)。プーが登場するミルンの四作の本は、挿絵と文を融合させた新しい形式をとり、シェパードとの綿密なやり取りを交えた共同作業の賜物として世に送り出されました。


たとえば、ウサギの穴にはまってしまったプーを助けるシーンの挿絵は、見開きで迫力いっぱい! 文はというと、プーを助けようと奮闘する森の動物たちの下に、地面のように配置されています。文と挿絵を一緒に味わうと、手をひっぱられてうなっているプーの声が聞こえてくるよう。挿絵が文にピタリとはまることで、読者の想像する世界を広げ、物語への没入感をもたらしてくれるのです✨
食いしん坊が災いして穴に詰まってしまったプーさん。一週間かけた救出作戦の行く末は? のんびり屋のプーさんもさすがに早く助け出してほしいようです👀

実はミルンは当初、自分の本の挿絵画家としてシェパードが採用されたことに乗り気ではなかったそうです。画家の才能を「まったく見込みがない」と言っていたこともあったとか。※
ところがミルンはすぐさま考えを改め、最初の詩集の序文には「絵をかいてくれたシェパードさん」と、その名を挙げるほど信頼を寄せる関係になります。
建築家の息子として生まれたシェパードは、若い頃から秀でた絵の才能があり、奨学金を得てロンドンの権威ある王立芸術院に入学。在学中から様々な賞を手にしていました。第一次大戦での従軍後、1920年代初頭にはクリエイティブな画家・挿絵画家であるとする評価を確立。初めての共同作業で、ミルンの児童詩にシェパードが挿絵を付けた作品は、雑誌掲載後に熱狂的な反響が寄せられました。
風刺画家として活躍していたシェパードは余白を活かし、活き活きとした動きのキャラクターを巧みに描いています。友だちのロバ、イーヨ―を励まそうとハチミツを贈ろうするお話では、いつのまにかうっかりとハチミツを食べてしまうプーの様子が連続で漫画のように描かれます。おなかいっぱい、幸せいっぱいのプーですが、友だちのプレゼントを食べてしまったことに気づき、困ったことに……!

さて、プーの物語の魅力のひとつとして忘れてはならないのは、物語の舞台となる100エーカーの森です。本の見開きには地図が描かれ、プーさんがハチミツを取り損ねて落下するハチの木の場所や、ピグレットの家の場所などがしるされていて、読者の想像力をかき立てます。
この森にはちゃんとモデルがありました。ミルンがサセックス州に購入したコッチフォード・ファームに隣接するアッシュダウンの森です。幼いクリストファー・ロビンが実際に遊んだ森をシェパードは何度も訪れ、物語の場面に使われた場所を詳細にスケッチして、プーたちが暮らす森を創り上げました。
実在する森の美しさをシェパードは見事にとらえ、冒険したくなるような、それでいてほっとするような、魅力あふれる100エーカーの森が誕生したのです。



アッシュダウンの森には、有名なプーの棒投げ橋のモデルとなった橋もあり、ファンたちが訪れる聖地となっているそうです。もし、こんな橋に出くわしたら、ぜひ棒投げ遊びにチャレンジしてみてくださいね!

おとなになってクマのプーさんを読み直してみると、プーさんやイーヨーなど、登場キャラクターたちのセリフは面白いだけでなく、ときに味わい深く感じます。そして物語が、現実とファンタジーを自由に行き来することができる子ども時代の魔法を見事に描いていることに気づかされます。誕生から100年経てもなお、100エーカーの森に出かけたくなる読者はきっとたくさんいることでしょう✨
最後にご紹介するのは、プーさんの登場シーンです! クリストファー・ロビンに連れられ階段を降りてくるプーさんは、頭をぶつけてしまう階段の降り方に何やら思うところがある様子? このときの気持ちはお話の中に。プーさんとクリストファー・ロビン、そして仲間たちのいる物語の世界をぜひお楽しみください。

タオルコレクションはこちらで販売開始いたしました!✨
書店様はこちらをご覧ください。
【クマのプーさんシリーズ書籍 初版年】
1924年 詩集『クリストファー・ロビンのうた』(When We Were Very Young)
1926年 児童文学『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh)
1927年 詩集『クマのプーさんとぼく』(Now We Are Six)
1928年 児童文学『プー横丁にたった家』(The House at Pooh Corner)
※ 『クマのプーさん創作スケッチ: 世界一有名なクマ誕生のひみつ』(ジェイムズ・キャンベル 著、東京美術、2018年)より
参考文献
『「クマのプーさん」誕生物語: A・A・ミルンとE・H・シェパードの生涯とその世界』(ジェイムズ・キャンベル 著、原書房、2026年)
『クマのプーさんと魔法の森』(クリストファー・ミルン著、岩波書店、1977年)
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